4日目 推しの景色はコチラ☆
白銀荘に向かう早朝 DECMOの車窓
朝5時過ぎに起床
空は起き抜けの窓に
優しい色を見せてくれました
今日は最高のお天気になりそうです!
いよいよ旅の目的地「白銀荘」に向かいます
到着した駅で更に1時間バスの到着を待ち
この時期無料の 町が運営するバスに乗り
40分かけて白銀荘に向かいます
小樽でもみかけた近代的な車両
通称「デクモ」といわれるH100形車両です
「Diesel Electric Car with Motors」
から「DECMO」となっており
JR北海道初の電気式気動車でディーゼルエンジンで発電した電力でモーターを動かし電車を走らせます
ディーゼルエンジンの起動音の後
滑らかな走りが電気特有の上品な走りです
しかしこの電車厳冬期の氷点下40度にも耐え粉雪湿雪にも対応するよう作られた
結構「タフなヤツ」だそうです
キハという古い車両との置き換えに製造された車両とのこと キハも好きなんだけどナ
まだ朝日は出ていません
明るくなり始めた時間に電車は出発しました
車内はまばらですがそこそこ人が乗っていて皆さん観光客っぽい感じと思いきや富良野駅でほとんどの人が降りました
どうやら今日富良野ではスキーのイベントがあるようです
3月には旭川でもクロスカントリーの大会があると一昨日調べたマンホールで知りました
冬の北海道は各地で誰でも参加できるスキーイベントがあるようですね
そういうのを旅行の目的のひとつにするのも楽しいかもしれませんね
太陽が昇りはじめました
先頭車両しか降りられないようで降りる時は扉横の開閉ボタンを押して乗降します
私大昔に一度やってしまったのですが閉まったままの電車を回送と勘違いして乗りそこねたことがあります
開けるボタンを押して乗車しなければならなかったんですね
そのあと30分次の電車を待ちました
乗り降りのない2両目は暖かくずっとそちらに座っていましたが そろそろ到着とのこと1両目に移りました
先頭車両といえば 運転席後ろで走り抜ける景色を見なければ!
ワクワク顔で先頭に行くと すでにそこには同じくワクワク顔で先頭の景色を眺めている40代くらいの男性がいらっしゃいました
すると同じ気配を感じたのでしょう(笑)
どうぞ と場所を譲って下さったのです
いえいえ〜と遠慮したのですがどうぞと再度「この素晴らしい景色をあなたもどうぞ見て下さい」とばかりの笑顔で勧めてくださるので「ありがとうございます!」としばし堪能
雪のなか疾走する
爽快感を味あわせて頂きました
お礼をいってまたサイドの車窓を眺めます
寒さの質が違ってきたのでしょう
木々に霧氷が見え
生まれたての1日を照らす太陽の光に
キラキラと輝きます
1時間ちょっとで上富良野駅に到着
寒い〜!ちょっと本気度がワンランク上です
まわりには小さな町と倉庫があるだけ
少し行った先に自衛隊の駐屯地がある町です
電車が出発すると残されたのは私たちだけ
静かな無人駅です
サウナーの聖地「白銀荘」は
その界隈では有名すぎる施設なので
バスに乗れないほど人がいた場合
結構なタクシー代を払って40分山を登ってもらわなければなりません
念のためにと一本早い(つまり1時間前に到着する)電車に乗ってここまで来ましたが
確実にバスには乗れそうです
バスの出発は1時間後
この極寒のなか1時間待つのはツラい?
いえいえ!駅愛でタイムに街散策
私の楽しみはたっぷりあります(笑)
では早速
待合室には始発から準備して下さっているのでしょうか?ストーブに火がついていて温めて下さっています
利用者は私たち2人だけ
有り難いことです
少し温まっていざ外へ
なんとか一つマンホール見つけました
道はツルッツル
上富良野町のシンボルが真ん中にあります
上富良野町の説明によると
「真ん中の「富」の文字を囲んで「力」が三つ集まっています。「力」「三」「富」で町名「かみふ」と読みます。「力」は“ちから”をさし、3字集まって協力の「協」を表します。それが全体の輪(和)によって中心の「富」を生みます。町の人々のあたたかい願いを込めた町のシンボルマークです」
なかなか考え抜いたシンボルのようです
その上富良野町の富を生み出す産業は
ラベンダー ホップ じゃが芋などの農産品と温泉 そして観光です
ラベンダー畑は大変美しく有名な景色
ちなみにフラノの語源は
アイヌ語の「フラヌイ」説が有力で
「臭いを持つ所」という意味
ラベンダーの臭いかと思いきや
北海道にラベンダーが持ち込まれたのは昭和12年のこと
各地で試験栽培をして北海道が適していることがわかり栽培が始まりました
もしかするとフラノ語源の「臭い」は温泉の硫黄臭なのかしら?
けれど町に降り立っても特に香りはしませんでした
もう一つの特産品「ホップ」は
サッポロビールのためのホップ
100年前の1923年から栽培されています
駅手前には古そうな倉庫がありステキ
と すってんころりん
腕を強く打ち きゃぁ転んじゃった!と思っていると遠くからこちらに向かっていたおばあちゃまが「大丈夫ぅ?」と声をかけて下さいました
「遠くからコケたの見えて心配でぇ」
と優しいお言葉
北の人は他人でも困っていると助けずにはいられない優しい方たちだということは仲良しだった会社の同期を通じて知っています
彼女も本当に心優しい女性でした
お礼を言って駅まで戻ってきました
「がんばれ受験生」の文字
この駅からこの小さな励ましにチカラをもらって試験にむかう学生もいるのでしょう
極寒の早朝 これを見て足早に電車にむかう学生を想像するとなんだかジンときます
無人駅 受験子あての 文字があり
エルスカ
あとはストーブの燃える音だけする待合室で主人とふたり お喋りの合間に訪れる
静けさも味わいながら バスを待ちました
次の電車も到着し3人ほど降りてきました
バスは定刻に到着し すぐ出発
大雪の登り厳しい車道を手慣れた運転で進み標高1000mにある白銀荘に到着です!
もう何回もテレビでみたあの山小屋
周りの景色はこうだったのね
今も噴火を続けている活火山の十勝岳連峰が美しい広大な景色
白銀荘が近づくと急にたくさんの車があり 皆さん山スキーを楽しまれるようです
ヨーロッパ系の方々がたくさん北海道の雪を楽しみに来られていました
山からは噴煙がずっと立ち昇っています
十勝岳はここ100年で数十年毎に噴火を繰り返しているとのこと
泥流の被害と温泉などの恩恵を受け 人々はこの地に生きるという旨の説明がありました
夏には可憐な花々が見られます
いよいよ白銀荘のサウナ体験!
入ってすぐに受付と売店があり私はこちらで入浴券700円とタオルを買いました
宿泊施設も一緒になっており 登山客がたくさんいらっしゃいます
宿泊客用の広い自炊キッチンがあります
階段を降りると浴場 さすがに撮影は無理ですがパンフレットの案内はこちらです
まずは男女別れた内風呂で身体を洗い
脱衣所に戻り水着に着替えると混浴露天風呂に出られます
噴煙を上げる十勝岳を眺めながらの露天風呂
この日は私たちの2人だけで
こんこんと流れ落ちる温泉とたっぷりの新雪
小さな雪だるまを作って眺めながら雪見風呂
温泉湧く小さな滝の下でヘブンリーシャワーの如く打たれ
泳げるほど広い温泉で仰向けになると
宇宙に近い蒼い空を眺められます
おろしたてのタオルを濡らして雪に埋め
パリパリにさせたり
雪を頭に乗せてお湯につかったり
やりたいことは全部やってきました(笑)
しばらく遊んでそれぞれの内湯に戻り
サウナと水風呂
そして男女専用の露天風呂を楽しみます
女性専用の内風呂はそこそこ人がいて
地元の方らしい人も多くいらっしゃいました
女子のサウナは少し低めの温度ですが
サウナストーンに水をかけて蒸気を発生させサウナ室を熱くする「ロウリュ」で熱々にできます
すぐ横にキンキンに冷えたほとんどシングル(10度以下)の水風呂があり
澄んだ水は蛇口から飲むことも出来ます
「ロウリュいいですか?」と
サ室(サウナ室)の同席者に許可を得てロウリュし 蒸されること10分
アツアツになったところで露天風呂エリアにむかい積もった雪にそっと身体を預けます
雪の結晶に受け止められる感触は
経験したことのない優しさ
と 同時に冷たい〜!!
慌てて露天風呂へとぽん フゥ♫
十勝岳が相変わらず噴煙をあげています
再びサウナに戻り こんどは水風呂へ
身体が痛いほどの冷たさ
ホテルで経験済のシングル水風呂と同じく5秒で出て半分トトノイながら外気浴へ
ベンチに座って上を見上げて目を閉じて
大自然のなか心臓の鼓動を感じてトトノウ
北の聖地を存分に堪能させて頂きました
帰りのバスの発車時間30分前に休憩室に集合
ロビーに行きソフトクリームを頂きました
あの後 主人はもう一度混浴エリアに行ったそうで「雪だるまが3つに増えてたよ」とのこと(笑)なんか嬉しい
ソフトクリームは普通に美味しいお味
なんだか北海道でソフトクリーム慣れして お口がこえちゃったような気がします
最後の下りを名残惜しそうに降りてきます
冷えた身体を温めに この時間からお風呂も混むようです
皆さん充実したお顔
どんな景色を見てきたのかしら
私たちは13:51のバスに乗車して
町へと降りていきました
お腹ペコペコです!
ランチは焼き肉にする予定でした
けれど どこも昼休憩か夜だけの営業
結局サウナーの間で有名な
「第一食堂」でいただくことにしました
焼き肉定食と塩ラーメンを頂きました
優しい美味しさ
どうする?お腹も満たされたし旭川帰る?
と主人に打診しましたが
彼はどうしてもここ上富良野で
「名物の豚サガリを食べる!」と決めていたようで食べるまで帰らないということに。
仕方ないつきあうか(苦笑)
近所のスーパー巡りなどして時間をつぶし 夕方の開店時間30分前に焼肉屋さんの前で 凍えながらスタンバイ
地元の方も車で来られて5時ちょうどにお店に入ると続々人が来て10分後には満席になりました
諸事情あり店内の撮影は遠慮しましたが
大変清潔な店内は広々してテーブルにいこった炭の入った七輪がおかれお肉を焼きます
運ばれてきたお肉は上富良野町の名物
「かみふらのポーク」です
上富良野の豚肉の特徴は飼料に麦と木酢液を配合して育てることらしい
ストレス少なく育てられることで 締まりのいいお肉になります
その中でも上富良野の焼肉といえば
「豚サガリ」
サガリは一頭から300g弱しかとれない
豚の横隔膜の部分
ローカロリーでヘルシーなお肉だそうです
ジューシーで美味しく タレもちょうどいい甘さ辛さで本当に美味しかったです
上富良野のホップが効いたサッポロビールと共にお腹いっぱいいただきました
日が沈み 凍ててきた道を歩いて駅に戻り
1時間後の電車を待ちます
いつもの街なら5分で来る電車ですが
旅先の なかなか来ない電車を待つのもいい
時折雪もちらついて
駅舎のわずかな灯りのもと 落ちてきた雪を 手のひらにうけました
手のひらに 今ある雪の いのちかな
エルスカ
白銀荘から いい時間に到着した人々と共に電車に乗り旭川へと帰ってきました
近代的な旭川駅の夜も しんとして好き
今夜は心地よい疲れと共に眠ります
いよいよ明日は最終日
主人のたっての希望で 札幌近くの北広島に向かい日本ハムファイターズの本拠地
「エスコンフィールド」を見に行きます
最後までお付き合い戴けましたら幸いです