美味しいしあわせ

くつろぎのひと時のお料理やお菓子とお酒 季節の花と緑

なら燈花会 2023


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なら燈花会

いつもこの季節になると電車の広告で見ていた美しい写真のイベントに 

今年初めてお伺いすることができました

何万個というロウソクが奈良のまちを 

その灯し火で 浮かび上がらせます

仏教における「灯明」とは

仏様の「智慧の光」とされています

無明煩悩の 人の世の闇に

仏様のお智慧をいただいて明かりを灯す

「灯明」はそんな教えに基づいた大切なもの

「献灯 献花 献香」

とされるお供えの大切なものの中でも

献灯は仏様の「智慧」と結びつく最も大切なものとされています

たくさんの灯明を灯して懺悔や滅罪祈願 諸霊の供養をする「万燈会」(まんとうえ)は 651年(白雉2 年) に当時大和の国(奈良県)にあった朝廷で催された記録があり

寺院においては744年 奈良東大寺の前身である金鐘寺(こんしょうじ)で行われたものが始まりとされています

そんな万燈会発祥の地で行われる

なら燈花会」(とうかえ)

「燈花」とは 灯芯の先にできるロウの塊が花の形をしたものを「燈花」といい 仏教ではそれが出来ると縁起が良いとされていることから名前がつけられたそうです

東大寺では 毎年8月15日に

「万灯供養会厳修」

春日大社では 8月14日15日に

「中元万燈籠」が行われますが

なら燈花会」は 訪れた人々の幸せを願い

今年は8月5日から14日の期間でいくつかのエリアにわけて まちじゅうをロウソクの灯りで灯すイベントとして行われています

ところで 

ここで使われているロウソクについてプチトリビアを♫

ロウソクの灯り美しい 燈花会

その燈花会に欠かせないロウソクを作っているのはペガサスキャンドルという会社です

ホームページを拝読すると 燈花会で使われているのはただのロウソクではないようで なら燈花会に合わせてカスタマイズしたものらしい

その工夫は特に4つ

(ホームページから抜粋)

1.場所柄 万が一鹿が食べてしまっても安全な原料を使用

鹿にも環境にも優しい原料を使用しています

2.ススが出にくいように

ススが出にくくなったことでカップが汚れにくくなり清掃時間の短縮につながりました

3.芯に工夫をして炎がすぐつくように

点火にかかる時間を半分以下に削減

点火作業のスピードアップになったのはもちろん チャッカマンなどの点火用具の経費削減にもつながりました

4.屋外で安定して燃焼するように

途中で消えてしまうろうそくが減り 再点火の手間が減りました

とのこと

うーん!どれも納得

夕暮れに訪れたけれど 鹿って夜も活動するんですね 

すっかり暮れた公園にはまだ鹿がいて 草をハミハミしていました

1年に一度のイベントなのでキレイに片付けないと来年の人が苦労するとか

チャッカマンでつけやすく。。なんていうのも実際点灯してまわられるボランティアの方々を拝見して本当に大変そうで 火がつきやすいというのがとても大切な条件だというのは見ていて私もお察ししました

なんせ右手と左手 両手にチャッカマン!でしたもの

いくつもいくつも点ける作業

手も疲れるのだろうと つくづく恐れ入りました

また 屋外で安定して灯るようにというのは 

お墓参りに行った時 毎回「ロウソク途中で消えませんように」と祈る私には切実に共感出来ます

実家のお墓参りでは ロウソクがすべて燃え尽きるまで帰れないという掟があるので 消えればつけ直しとなります

(ロウソクの灯りがついている間はご先祖様にも私たちの姿がよく見えるので 短いロウソクを使い それが消えてしまうまではせめて墓前でみんなの姿をお見せしましょうねという母の決め事 まぁだいたい全員でお掃除したり お参りするとちょうど消えるほどの時間ですが 風の強い日は苦労します(苦笑))

そんな様々な現場のニーズをくんで作り上げられたロウソク 

ロウソクひとつとっても様々ご苦労があるのだと勉強になりました

こうして たくさんの人々の知恵と工夫 

そして運営するスタッフ ボランティアの方々のお力を得て開催されている

「なら万燈会」

夕暮れ前

まだ日中の熱気冷めやらぬ 暑さうだる頃

奈良の駅に 降り立ちました

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奈良にはJRと近鉄どちらでいくか選べますが

どちらで行くかによって到着する駅の場所が結構離れています

私は今回JRの方から奈良入りしました

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降り立ったのは高架化した新駅舎

改札を出ると2階となり向かいには商業施設

下に降りていくとロータリーがあり

広場にこちらの旧駅舎があります

奈良駅は 明治23年に開業

当時は和風の木造平屋建て駅舎が建てられていましたが 

昭和9年 寺院風の和風建築と鉄筋鉄骨コンクリート造の洋風建築の折衷建築である 

この駅舎が建てられました

屋根の上の相輪や四隅の風鐸 建物内部にある格天井 また柱や壁面にあしらわれた古代文様のレリーフなど見どころたくさんの素敵な建築で 現在中には観光案内所とスターバックスが入っています

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駅前ではすでに燈花会の準備がされていました 

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まだ時間も早いので ロウソクに火は灯されていませんが このJR奈良駅燈花会の会場のひとつです

ここから春日大社方面に歩いていくと猿沢池や浮御堂 興福寺 国立博物館などなど

様々な場所で燈花会のイベントが行われています

春日大社などは神事として行うので 最終日しか行われていないなど様々ありますので

詳しくはホームページをご覧になって行かれることをオススメします

で♫

私は道すがらひたすらマンホールを撮影しながら会場までワクワクしながら歩きました

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こちらは奈良市の市章が真ん中に書かれています

この市章 市によると

天平の昔から奈良にゆかりの深い名花奈良八重桜(ナラノヤエザクラ)をかたどり 花芯に奈の字をえがいています この奈の字の「示」は 日・月・星の三光にかたどられています

 昔 三笠山で鶯に三光の鳴き声を習わせたという伝説にちなんだものです」

とのこと

なんとなくオシャレに奈良の奈をあしらったのかなと思いきや すごく深い思いのつまった市章 さすが最古の都 奈良ですf:id:habbule-no-neko:20230807092526j:image

こちらはデザインマンホール 意匠は

「国際文化観光都市として観光シンボルである「奈良公園の鹿」と「市章」を中央に配置し 周囲には平安朝の女流歌人伊勢大輔歌「いにしえの奈良の都の八重桜けふここのへに匂いぬるかな」(歌詩集)によって知られる「八重桜」を図案化しています 

これにより古都奈良のイメージを表現しています」

とのことでした

ちなみにカラーマンホールはこちらf:id:habbule-no-neko:20230806224033j:image

マンホールカードは私もその日通っていた「ナラニクル」という観光センターで配布していたようですが 燈花会会場を探すのに夢中でウッカリしてました(涙)

次回は必ずゲットします!

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猿沢池の手前でこんなものをみつけました

奈良県里程元標」

明治時代に県の諸街道の起点として設置されていた元標で 街道のスタート地点とするもの

奈良県は明治最初には堺県として堺の一部とされた歴史がありますが 明治20年に堺から別れ奈良県となります

この里程元標は明治21年7月にこの地に設置されました

向かいには 昔の高札場

街道の入口ということで 高札場が設けられていたのでしょう

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すでにこちらではロウソクの明かりが灯っていました

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夕暮れの猿沢池

 

風が止まり 空を映し出す 

静かで 美しい景色

忘れていた 心の平穏を思い出させてくれる

そんな内なる自己と向き合える時間

かつての 王朝に流れていただろう

古の奈良の たおやかな夏の夕暮れを想い 

心のタイムトリップを楽しみました

「時が流れる」 

という なめらかな感触

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すでにたくさんの方々が 点灯を待って辺に腰掛けています
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ボランティアの方が 一つひとつ灯りをともして下さいました

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興福寺

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浮御堂

こちらではボートを浮かべて舟遊びに興じている方々もいらっしゃいました

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浅茅ヶ原

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浮雲園地

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奈良国立博物館

いつもより賑やかな夜に 

鹿はいつもと変わらず 草を食んでいます

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会場がたくさんありすぎて

すべてを見て回ることが出来ませんでした

帰り道 地下道を通ります

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平城京ってこんなに大きかったのね!とビックリです

この絵も もっとゆっくり見たかった

実は今夜主人は大学院の講義受講後 友人たちと飲み会で 帰宅は9時過ぎとのこと

それまでに帰って駅まで車で迎えに行くつもりにしていて

主人を送り出してから燈花会に来ることを決めたので イチかバチかの綱渡りな行程です

急げ ワタシ!(笑)

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ここからバスに乗ってJRまで戻りました

車窓にすごくデコラティブなはしご車?が。。

まさかの為に待機?謎です(笑)

思わずパチリ

無事 奈良駅到着

ついた時にはまだ灯されていなかったロウソクが 明るく駅を照らします

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WELCOME TO NARAの文字

多数の重要文化財立ち並ぶこの地域で ロウソクの灯りのイベント

開催するまでに幾多の困難を経てきたであろうことは容易に想像がつきます

が 実際訪れて その幻想的な景色広がる圧倒的な規模と美しさに 帰宅してからもあれは夢だったのではないかというような

なんだかうっとりとした気持ちが

記憶として刻まれたような気がします

暗い中に 美しいものだけが浮かぶ記憶

是非 一度大切な方と訪れてみてはいかがでしょうか

 

報告

結局思いのほか早めの帰宅となった主人

駅到着が2人共同じ時間となり(主人の到着駅は私とは違うのです 家から様々な方角に駅があるのでそんなことになります)努力虚しくお迎えは間に合いませんでした

残念ながら 主人にはバスで帰ってもらうことになりました 申し訳ない

報告その2

履いていく靴は運動靴がオススメ

鹿の落とし物は

まぼろし ではありませんからね(笑)