美味しいしあわせ

くつろぎのひと時のお料理やお菓子とお酒 季節の花と緑

コンチキチンが聴こえたら 鱧皮と胡瓜の酢の物


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京都 八坂神社の御神紋

「五瓜に唐花(ごかにからはな)」

胡瓜を切った断面が 

この御神紋に 似ているという理由で 

氏子衆はこの時期 胡瓜を食べられません

けれど今が旬真っ只中の 胡瓜

祇園祭の鐘の音 コンチキチンが聴こえたら

八坂さんの氏子でない私は

この「鱧皮と胡瓜の酢の物」を 

食べずにはいられません

義父の「あんぺいが食べたい」

のリクエストに 百貨店の蒲鉾屋さんに行き 思いもかけず あんぺいの横で「鱧の皮」が売られているのを見つけて買って帰りました

今は大阪に住んでいる私

京都に住んでいた頃には 

毎夏作っていた 鱧皮と胡瓜の酢の物ですが

大阪に住むようになってからは 

鱧皮自体を見ることがなく すっかり作るのを忘れていましたが

実は蒲鉾屋さんで毎年売られていたことを

義父のおかげで知ることができました

あんぺいは鱧の身で作ります

なるほど皮は焼いて売るのね!

と ひょんなことから蒲鉾屋さんのSDGsを知ることになりました

ちなみに「あんぺい」

関西ではメジャーですが 関東では知らない方も多いようです

東京のハンペンみたいなものですが 東京のハンペンがサメなどで作られているのに対し

あんぺいは鱧(ハモ)の身で作られます

祇園祭が始まる7月頃から脂が乗り始める鱧

淡路島などで獲られるものが最高とされています

普通の魚が陸に上がってから流通の過程で痛むのが早いのに対して 鱧はとっても丈夫

海から遠い京都市まで運ばれても元気に泳いでいるので 昔から夏の魚として鱧は京都の料理に欠かせない食材でした

流通が良くなった今でも 

京都の夏といえば 鱧料理

骨の多い身に細かく包丁を入れられるのが 一流の料理人と言われ 

料亭などでは高額な一品として提供されます

京都では 祇園祭

大阪では 天神祭

地元でも お祭りがあって

氏神様の御霊を地車だんじり)に移して 曳(ひ)くことで 町を浄めて下さいます

鐘の音と 掛け声 地車の勢いに歯止めをかける高い笛の音が聞こえてきたら

家の前でご祝儀袋を持ってソワソワと待ちます

お祭りのお役をして下さっている顔見知りの方に 「暑い中お疲れ様です 今年はお天気も良くて」とお声をかけて ご祝儀袋をお渡しすると 「いやぁ今年は暑いですなぁ」と粗品のタオルを下さいます

お役の方が手を挙げて 地車が家の前で止まると 全員で大阪締めが始まります

「うーちましょ」パンパン

「もうひとっせ」パンパン

「祝おうて三度」パパンパン

手を打ち終わるや否や また祭りの鐘の音が始まり 地車が動き始めます

「ありがとうございましたァ!」

流行り病で中断していた お祭り

4年ぶりに いつもの夏がやって来ます

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☆レシピ☆

 

「鱧の皮と胡瓜の酢の物」

(材料)4人分

胡瓜 2本

鱧の皮 40g

炒ったすり胡麻 大1

〈合わせ酢〉

酢 大2

砂糖 小2

鎌田のだし醤油(薄口醤油) 小1

 

(作り方)

・胡瓜は蛇腹切りにして一口の大きさにちぎり 塩して脱水させておく

5分ほどたてば水洗いして 水分をギュッとしぼり キッチンペーパーでしっかり水気をぬぐっておく

※蛇腹切りとは

洗った胡瓜をまな板に置き 下がお箸一本分ほど残るようにして斜めに細く切れ込みを入れていく

裏返してまたお箸一本分ほど残して今度は逆になるように斜めに切れ込みを入れる

中でバッテンになるように

こうすると硬い胡瓜の食感がシャクシャクとしながらも 口当たりが柔らかくなり 味もしみやすいです

プロは難なくやってのけますが 私は切れてもよい割り箸を2本胡瓜を挟むように添わせて置き 上から包丁で切れ込みを入れます

こうすれば下まで切ってしまわずに安心して切れ込みを入れられます

・ボウルに胡瓜 すり胡麻 鱧皮を合わせ 合わせ酢をかけて混ぜ合わせる

・しばらく冷蔵庫で寝かせて味が馴染んだら召し上がれ♫

ちなみに

少し手間ですが 

胡麻はフライパンで炒ってすり鉢でする

鱧皮はバットなどに広げてバーナーで軽く炙るか グリルで銀紙などの上で焦げないように軽く温める 

などすると 更に美味しくいただけます