美味しいしあわせ

くつろぎのひと時のお料理やお菓子とお酒 季節の花と緑

旧大阪市公館でランチ


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20数年来の友人との気のおけないランチ

前から気になっていた旧大阪市公館に行ってきました

こちらは現在結婚式 レストラン 会議等を主に手掛ける

「ザ ガーデンオリエンタルホテル大阪」

として営業されていらっしゃいます

JR東西線の「大阪城北詰駅」で待ち合わせて歩いてすぐの所にあります

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爽やかな春の日和

少し早めに待ち合わせ1時間ほどお庭や館内を見学せていただきましたf:id:habbule-no-neko:20240525201641j:image

この建物は大阪市公館として1959年(昭和34年)に竹腰建造氏の設計で建てられた建物

竹腰建造は長谷部竹腰建築事務所の創業者の一人でありその建築事務所は現在の日建設計の母体でもあります

日建設計は日本はもとより世界の建物の設計から都市計画まで手掛ける会社で

最近では東京ミッドタウン リッツカールトン日光やコンラッド大阪などなど多数の優れた建築と都市計画を手掛けています

その竹腰氏が設計した大阪市公館

当時大阪では第5回日米市長及び商工会議所会頭会議が開催されることになり迎賓館の役割を兼ね備えた大阪市長公館(その後大阪市公館となる)として建築されました

近くには「藤田美術館」や藤田邸跡公園がありこの建物のある敷地も公園の中にあります

そう

元々ここは実業家藤田傅三郎男爵の広大な屋敷「網島御殿」があった場所なのです

藤田氏のことは私はよく存じ上げなかったのですが 一度「藤田美術館」を訪れたことがありその時にその素晴らしいコレクションの数々や静謐な美しさを持つ「藤田美術館」の素晴らしさを知り 藤田氏についても学ばせていただきました

藤田傳三郎(ふじた でんざぶろう)

1841年(天保12年) - 1912年(明治45年) 日本の商人 実業家であり大変な美術蒐集家でもありました

明治時代の大阪財界の重鎮で藤田財閥創始者です

出身は山口県萩市で父親は醸造業や下級藩士に融資をする掛屋を営んでいました

明治に入り長州藩が払い下げた大砲などの武器を大阪に運んで巨利を得 以来時代の波にのりながら様々興した事業は数しれず

現在の東京三菱UFJ銀行 リーガルコーポレーション 関西電力 琵琶湖汽船 藤田組 DOWAホールディングス 阪堺鉄道 大成建設 毎日新聞など多くの企業が藤田氏の興した事業から現在へと続いています

大阪発展の礎を作った藤田氏は1885年(明治18年)大阪商法会議所(現在の大阪商工会議所)初代会頭五代友厚についで2代目会頭として就任

1887年には大阪商品取引所の初代理事長をつとめています

1911年(明治44年)民間として初めて男爵に叙せられその翌年1912年(明治45年)に亡くなられました

存命中は謡曲 能楽 茶道など様々な道を極めた彼

美術品への造詣も深く日本の美術品が海外に流出するのを防ぐ目的もあり様々な美術品を蒐集していました

御子息らと集めた美術品は国宝を含む多数の素晴らしいコレクションとして現在大阪市都島区綱島町にある「藤田美術館」で見ることが出来ます

この藤田美術館や藤田邸跡公園そこに隣接する今回の旧大阪市公館はもともと傅三郎氏の私邸のあった場所で亡くなったあと分割され御子息らに相続されました

その後この旧大阪市公館のある場所については大阪市の所有となり公館が建設され

そこから時を経て橋下徹市長の代で自治体の外交戦略は大阪府が中心に担うべきだとする方針のもと2014年(平成26年)に閉館

その後大阪市はこの場所を民間に活用してもらうこととし「ザ・ガーデンオリエンタル・大阪」が営業を始めることとなり現在に至ります

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緑豊かな車寄せを通り玄関へと向かいます
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どこまでが当時のものかはわかりませんが照明や天井画 家具などレトロで上品

まさに迎賓館にふさわしい上質さに溢れています
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こちらは2階

もう一つ大きそうなお部屋もありましたがそちらは撮影出来ませんでした

かつては大阪市長の執務室や応接室として使われていたそうです
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素敵なお庭と茶室があると聞いていてホテルの方にお聞きすると案内して下さいました
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東庭にある茶室「二水亭」

茶室両側には二水の由来小川が流れています

これは当時の市長中井光次氏が茶室のある場所を市役所のある中之島に見立て

両側の小川を堂島川土佐堀川そして小川が注ぐ池を大阪湾と見立てた趣向となっています
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少し行くとこちらは増設されたであろう瀟洒な式場となっており中にはハープが2台おかれていました

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池の鯉など眺めながら散策しているとランチのお時間

ソフアのある待ち合い室に通されてしばらくするとお席へ案内されましたf:id:habbule-no-neko:20240527164432j:image

お庭の見渡せるお席にはすでにテーブルセッティングがなされていて カトラリーなどに大阪市の市章「澪標(みおつくし)」が刻まれています
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澪標は昔 難波江の浅瀬に立てられていた水路の標識で 天保年間の絵図に今の市章と同じ形をしたものが描かれており

昔から浅瀬への注意喚起のために立てられていたものでした

大阪は昔から水運の拠点として繁栄を極めてきた歴史があり 人々に親しまれ  港にもゆかりの深いみおつくしは明治27年大阪市の市章に制定されました
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ドリンクは別料金

ランチは1500円から5500円まで選べますが5500円は品数が多すぎたので私達は3000円ののものにしました

一品目のコンソメスープ

丁寧に作られたコンソメスープのお味

昔結婚式のアテンドのお仕事をしていた友人が「この香り懐かしい!結婚式の香りだわ」

と懐かしんでいました(笑)
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お料理は少しづつ丁寧に作られたものが提供されどれも本当に美味しかったです

これなら5500円のコースでも食べられたかもねと話していましたが

デザートはこの6種類からお選び頂けます

全部でも結構ですよ♫

と勧めて下さったので欲張って全部のせ!
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このデザートも少しづつ美味しいものをいろいろといただけてお紅茶とともに最後はお腹いっぱいになりました

実はちょうど結婚式を挙げるカップルがお庭で親族の方々も交えて写真を撮影しておられ

こんな素敵な場所でこんな美味しいお料理の披露宴

記憶に残る素敵な結婚式になるだろうなぁとこちらも幸せな気持ちでお食事させていただきました

ちなみにお昼もいいけれど

お庭を散策して見かけた照明の数々に

「夜にはきっと素敵な灯りで更にムーディーな場所になるんだろうね」

と友人と話していました

その友人夫婦とは家族ぐるみのお付き合いで定期的にあちらの御夫婦と私と主人の4人で集まっては美味しいお料理やお酒を飲みにいく間柄

次回はここで集合したいわねぇ♫

と企みましたが果てしなく飲むこのメンバー

とってもお高くなりそうで夢は叶いそうにありません

もう少し上品に飲める日が来るまで 

夢はお預けかな(笑)