
東京旅2日目!
昨晩遅くに娘とも合流し家族揃って東京観光です
息子はお昼から合流とのこと。
東京には出張もある主人の意見はさておき
今回は私と娘たっての希望で上野に行くことになりました

駅を出るとどっちに行けばいいのか分からないくらい広い「上野恩賜(おんちょう)公園」数々のホールや博物館 美術館 動物園などが点在します
「恩賜」という語からもお察しの通り
広い公園は宮内省から下賜された場所。
ですが元々は江戸時代、辺り一帯は
江戸城の鬼門封じのため建てられたお寺
「寛永寺」のあった場所でした
かつて京都に御所があった時代。
それに対して寛永寺は東叡山(とうえいざん)寛永寺と呼ばれています
当時広い境内では奈良の吉野から桜の苗木を取り寄せたり植栽にも力を入れ、現在もその名残から桜や蓮が有名です
ちなみに
上野恩賜公園は東京都建設局の管理下にありそこかしこで見られる建設局のマンホールには桜が描かれています
マンホールでいうと
アメヤ横丁(通称アメ横)には
「かねの鳴るまち 上野駅前商店街」
と書かれたマンホールがあります
この「かね」は寛永寺の鐘をあらわし
現在も公園内の時鐘堂では
朝6時 正午 午後6時の3回鐘が鳴り日本の音風景100選に選ばれています
この寛永寺の鐘は江戸時代、夜中の12時にも鐘が鳴っていたという話も。。
以前大分に旅したとき、時報の代わりにミュージックサイレンなるものが百貨店から流れ日本に数少ない現存ミュージックサイレンであることを知りました
(詳しくはブログ内「神戸↔大分 弾丸フェリー旅」で。)
その後伊賀市にもミュージックサイレンがあることを知ったのですがそれが夜の10時にも鳴らされるそうで、伊賀市に転居してきた方がネットで「何とかなりませんか」と呟いているのを見たことがあります
それに対して江戸時代鳴らされていた
寛永寺夜中12時の鐘
文句を言う人はいなかったのかしら?
飲んだくれていた人たちを帰す口実の鐘とか
何か需要があったのかもしれません
ちなみに改めて調べてみると2024年末に伊賀市のミュージックサイレンは誤作動をおこし現在休止中とのこと
復旧は待たれるのか 待たれないのか(笑)
ところで、全盛を誇っていた寛永寺ですが
幕末にいわゆる上野戦争で戦場となりました
江戸時代を終わらせた戦争です
天皇を頂点とする新政権を樹立しようとする新政府軍との間に起こった戦争で
徳川家の菩提寺である寛永寺には旧幕府軍の強硬派が立て籠もり、そこに新政府軍が攻撃
美しかったお寺はほとんどが焼けてしまうほどの大戦となり、新政府軍が勝利しました
その後境内は明治政府によって接収。
広い土地は明治の文明開化と共に様々利用されることになります
明治初期には政府主導により「内国博覧会」なるものが東京で幾つも開催されその展示物の収蔵などにより公園内に国立博物館 国立科学博物館が建てられていくことになります
国立西洋美術館は別の経緯で松方幸次郎氏のコレクションを展示するため上野に建てられました
松方幸次郎は川崎財閥の創設者で、川崎造船所他多数の会社の社長をつとめた人物です
ヨーロッパで多数の絵画 彫刻を蒐集するが事業の不振とともに散逸、第二次世界大戦では敵国人財産としてフランス政府に没収されてしまいます
その後日本政府が返還を求め、フランスからの寄贈という形で美術品が日本に戻され
上野の地にフランスで活躍していた建築家ル・コルビュジエの設計で美術館が建てられ収蔵展示されることになりました
ちなみに
国立博物館の本館は関東大震災で被災し現在は見ることが出来ませんが、設計は前回のブログ東京旅1日目でご紹介した東京大学の教授 ジョサイア・コンドル氏によるものだったそうです 見てみたかった。
ところで上野観光では
国立科学博物館 国立博物館 国立西洋美術館の順で見に行く予定でした
ですが時間が足りるか心配だったのでとりあえず駅に一番近い国立西洋美術館の広場の像だけは先に見ることにしました
(結局、時間は全く足りず美術館は断念。
先に像だけでも見ておいて良かったです)

国立西洋美術館の広場に展示されている
「考える人」ロダン作
鋳造作品なので型があり作品は一つではなく世界に複数あります
考える人の元ネタはこちら
同じく広場に展示されている「地獄の門」
地獄の入口の門の上で、地獄に向かう死後の人々を眺め人の運命や業といったものを思索する詩人をモチーフに作られたものでした
この地獄の門も世界に7つあるのですが
国立西洋美術館のものはその一つです
そもそも「地獄の門」は
フランス政府に美術館のための門の製作を依頼されたロダンが、フィレンツェにあった「天国の門」にインスパイアされ「地獄の門」として詩人ダンテの世界観をモチーフに作ろうとしたもの
けれど、美術館の計画が立ち消えになり
当初地獄の門を上から見下ろすダンテとして考える人(ロダンは詩人とよんでいた)を作っていましたが、途中からダンテよりも当時著名だったボードレールの世界観を表現したいと現世の地獄を現すモチーフに変更していき、亡くなる直前に未完の状態で後のロダン美術館の館長となる人物から鋳造を促され「地獄の門」として鋳造されました
詳しくはYouTube山田五郎オトナの教養講座「ロダン「考える人」の回を見て頂けると詳細が解説されています

知ってるとちょっと嬉しいのは「考える人」が実は帽子をかぶっているということ。
写真でわかりにくく恐縮ですが
右耳の上にちょっと不自然な帽子がペロンとあります
これはそもそも考える人を詩人ダンテとしてロダンが製作していたため
ダンテは絵画で帽子をかぶって描かれておりそのようにロダンも作っていたのですが
途中でコンセプトが変わったため帽子も中途半端な形で残ることになっています
もちろん私も家族に「見て!ここ!ここ!」と自慢げに説明しました
暑くて誰も聞いてなかったけど。。(涙)

↑この地獄の門の横になんだかモジモジした2つの像があります
日本ではアダムとイヴとよく言われています
キリスト教でこの世で最初に罪を犯した人間として描かれており「地獄の門」の横に飾るにはうってつけの2人となっています
神様に「リンゴ食べたやろ」と言われた時の感じだと思います(知らんけど エヘ)
↑天国の門でも上に3人いて対になっています
描かれている様々な地獄には神話など元ネタがあるのですが、中でも真ん中あたりに見える女性のものは「パオロとフランチェスカ」という肉欲に翻弄される物語がモチーフとなっており、当時ロダンも不倫をしてたのでこの話は残して彫刻に刻んだのではないかとか
詳しくは山田五郎さんのYouTubeをご覧くださいませ。大変面白いです
こちらはロダンのアシスタントをしていたブールデルの作品で「弓をひくヘラクレス」
チカラ持ち!なイメージですね
全能の神ゼウスとアルクメーネーの子で
産まれる前からゼウスの正妻の恨みをかうが、ゼウスは正妻の乳が持つ「不死の力」を生まれてきたヘラクレスに与えようと正妻の乳をふくませたところ、彼女に気づかれ
「何すんねーん!」とすっ飛ばされ、乳が飛び散り「天の川銀河」(ミルキーウェイ乳の道)になったという神話を持つ
ミルキーウェイ生みの親的存在です
そんなヘラクレスも立派に育ちこんな感じに

さて
カレーとはあっちのカレーでなく
こっちのカレー(どっちの?)
100年戦争でおなじみ
おもにフランスとイギリスを中心に様々な国を巻き込んで100年以上続いた戦争で戦場となったフランスの都市カレーです
今でこそカレーとイギリスはドーバー海峡を英仏海峡トンネルで繋がる都市となっていますが、当時はどうしても陥落しないカレーを落とすためイギリス軍が包囲
飢えに苦しんだ市民に主要メンバー6人を差し出せば包囲を解こうと持ちかけます
6人は自ら首に縄をつけやせ衰えた姿で投降
その場面を彫像にしたものです



けれど、安心して下さい
その6人はイギリス王妃の巧みな説得により命を助けられました。良かった!
さて、彫像に釘付けの私を主人と娘は遠巻きに眺めて待っています
プレッシャー(涙)

というのも「国立科学博物館」では360度シアターがありその上映にいち早く並ぼうねと
そういえば言ってました(私が(笑))
実物大のシロナガスクジラなど屋外にも様々展示があります
そんなこんなも慌てて写メり、シアターに行き堪能。映像が素晴らしかったです
さて、落ち着いて展示見学。
入ってすぐにある「フーコーの振り子」
こちらは地球の自転を目で見る展示です
私が好きなフーコーの振り子の見どころは、振り子をつっている紐

自転が分かるように振り子をつるには長い紐が必要で国立科学博物館では19.5m
実際わりと本気で長いので「なが〜!」というのを見るのが見どころです(笑)
ちなみに日本一は弘前大学の45m ながっ!
屋上に上がるとスカイツリーが見えます
剥製からコンピューター 人工衛星 地球内部の地層。。
もうなんでも展示があります

↑地球の磁場が入れ替わった時の地層
噂には聞いてたけど本当なのね!
地磁気で有害な宇宙線を防いでくれてると理解してるんだけど(オーロラ)
逆転する瞬間ってめちゃくちゃ宇宙線降り注ぐのではないかとすごく心配



↑デブリが貫通した穴とかが見れる
こんなに小さくて威力のあるデブリが、船外活動とかで貫通したらどうなるのかしらとか考えると夜も眠れない(笑)
↑9元連立方程式を解くための機械
何のために必要だったのかは謎だけど
映画エニグマを思い出す精緻な美しさ
(エニグマは暗号解読機のお話。いい映画)
↑内蔵を支える所の骨がビッシリ
たっぷり食べたんだろうなぁ(恐怖!)
↑重力絶対測定装置!!
重力!絶対!!測定!装置!!!(興奮!)
ナニでどうやって絶対に測定?!!
誰か教えてほしい!
と、無言でアドレナリンを大量放出しながらふと建物を見上げると、こちらも美しい!

階段室やステンドグラス 通風孔にいたるまですべて美しい国立科学博物館
上空から見下ろすと実は飛行機の形になっているそうです
正直全然時間が足りません
お腹をすかした長男は自宅でスタンバイ中
最後は駆け足で駆け抜けアメ横に向かいます

久しぶりのアメ横は昼飲みの人々でごった返していました
そんな中少し外れた路地にある純喫茶へ
娘のリクエスト「王城」です



お店の方に許可を頂いて撮影しました
娘曰く「ソロ活女子のススメ」のロケ地


懐かしいお味で美味しく頂きました
さて、長男も一緒に次は国立博物館へ
手前右には東洋館

左に表慶館 入口の獅子像は阿吽らしい
ここも広すぎて今回訪れたのは本館のみです
「国立博物館」
先に書いたジョサイア・コンドルの建物が関東大震災で被害を受け、渡辺仁の設計により建てかえられた本館
洋風建築和風瓦乗せ「帝冠様式」の建物です

この前で娘のポートレートを撮影しました
映えます(笑)
こちらも美しく貴重なものがたくさん
↑憧れの火焔型土器ホンモノ
大塚国際美術館でレプリカを触って持ち上げたことがあります。結構重かった。
↑こちらを含め、リニューアル展示の仁王像なども後ろ姿が見られるのがナイス



それぞれの時代に想いを馳せたり美しい品々に酔いしれますが少々悪酔いしてきました
脳の処理能力が限界です
東京に住んでいたら何度も訪れるのに。。
そんな疲れ果てた観覧者を癒してくれる部屋
椅子がありひと休みできます
ここも美しい。。。


はぁぁ。。
クッタクタです。喉もカラカラ
そろそろ息子が予約してくれているお店に移動します
岩倉高校は日本で有数の、鉄道従事者を輩出している高校です。
さて、五反田へ移動してきました

今夜は私のリクエストで焼とんの美味しい店息子のチョイスは五反田「かね将」でした

大阪ではなかなか食べられない「焼とん」
豚メインの関東文化を味わってみたかった





焼き加減が絶妙で大変新鮮な豚のモツ
本当に大変美味しく頂きました
ピーナツ味噌なども地方の味わい
煮込みやお刺身も全部美味しかったです
狭いお店なので隣の会話が丸聞こえで失礼ながら聞こえてきた感じでは、どうもゲームの音楽を作曲している方とその業界の方々
ウ~ン東京って感じ!と、大阪ではなかなか味わえない「イマ感」も堪能しました(笑)
美味しかったね〜!
とのんびり駅に向かうと何やら異色のポスト
こちらは先のオリンピックで金メダルをとった人たちを称えるゴールドポストなるものでこちらは柔道の高藤直寿選手を称えるポストとのことでした
ふぅぅ〜!2日目はこれで終了。
今回も長引きましたね
ついあれもこれもと欲張って書いてしまい、大変申し訳ございませんでした
最終3日目は美味しいマグロを食べに三崎港へと伺いました
なんとお祭りの日だったようで。。。
いや、今度はさすがにこんなに長くならないはずです(汗)
よければ3日目も引き続きお楽しみにしてくださると嬉しいのですが。。
そこを何とかよろしくお願い申し上げます。
