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近鉄3日間乗り放題旅1日目四日市大入道と工場夜景

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主人の修論も一段落したので旅に出ようということになり今回は「近鉄週末フリーパス」を使って夫婦2人で3日間近鉄電車を思い切り楽しんできました

金土日もしくは土日月で週末のお出かけをお得にしてくれる近鉄のフリーパスです

近鉄電車(近畿日本鉄道)は関西では有名な鉄道会社で総営業キロ程はJRを除く私鉄では日本最長の501.1kmにも及びます

多数の路線ネットワークを持ち長い路線を走り抜ける数々の特急も人気で中でも「ひのとり」は2021年に鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞しました

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私はひのとり初体験がプレミアムシートだったのですが革張りのラグジュアリーシートで寛ぎながら眺める車窓はまるで日本の景色を窓枠の額縁で眺めているさながら動く美術館のよう。

最高の体験でした

今回の週末フリーパスで乗車出来るのは特急以外のすべての電車

ですが追加で特急料金を支払えば乗車することも可能です

近鉄の特急料金はそこまで高くないので珍しい電車を体験するのに追加で特急料金だけ払えば乗車できる今回のフリーパスは大変お得

なので今回は数々の特急に乗ることも旅の楽しみとすることにしました

主人の提案でしたがなるほどフリーパスチケットのオトナの楽しみ方ですね

さて 第1日目は「四日市

四日市といえば私の大好きな工場夜景です!

今回は夜景を楽しみに他にも様々な四日市の魅力を探る旅をしてきました

まずはお昼ご飯を頂きに「伊勢松本駅」を目指します
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近鉄大阪線大阪上本町駅からほぼ同緯度で三重県に入り突き当たりの伊勢中川駅に到着

そこから右に向かうと三重県の半島の駅賢島 左に向かうと名古屋に行きます

伊勢中川の手前には各線を結ぶ三角地帯がありギリシャ文字のデルタΔから通称中川デルタと呼ばれます

閉ざされたデルタ内には様々な広告が立つ独特なエリアとなっているのが見どころです
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伊勢中川から名古屋方面に進むと近鉄四日市に到着

そこから湯の山線に乗り換え伊勢松本駅で下車して徒歩約5分
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「来来憲」の大とんてきを食べに来ました
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大人気で1時間ほど待ってやっと着席

厚切りの豚肉をグリルしてソースをかけたものです

味もボリュームも食べ応えがあり工場立ち並ぶ四日市で働く人々に大人気なのも頷けます

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お腹いっぱいで電車に乗って四日市に戻ってきました

こちらは「近鉄四日市駅

実はもう少し海側にJRの「四日市駅」もあります

四日市の地名はかつて4のつく日に市が開かれていたから。

近鉄とJR2つの駅前がありますが近鉄四日市駅の駅前が再開発されて現在栄えているのは近鉄側かなという印象です

さぁいよいよ四日市探検!

まずはマンホールカードを頂きに観光案内所へ向かいます

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すると奇妙なからくり人形を推している看板にビックリ!
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入るとそのチビキャラが出迎えてくれます

とりあえずマンホールカードを頂戴し改めてこの謎キャラについてお聞きしました

観光案内所の方によるとこの大きなからくり人形は「大入道」といって四日市のお祭りに年2回登場する四日市市のシンボルキャラクターとのこと

「入道」とは道(仏法)に入るもの。

つまり坊主のことで昔「入道」は大きな体をした坊主の妖怪として恐れられ各地に伝承が残っています

四日市で大入道が作られた伝承は2つあり

「昔醤油屋の蔵に老いた狸が住んでいて夜な夜な大入道に化けて人々に悪さしていたのを懲らしめるために村のみんなで大入道を作り対抗した。しかし狸が更に大きな入道に化けた為対決に負ける。そこで村の人々は首が伸びるように作り替え再度狸と対決。狸はこれに驚いて逃げ大入道は村に出なくなった。」

というものと

「反物屋の奉公人がろくろ首だったがある日これを知られて消息を絶ち彼を偲んで作られた」という話があるそうです

お祭りで使われる大入道は諏訪神社の氏子町の一つ桶之町が文化年間(1804-1818町人文化が著しく発展した時代)に作ったものが始まりとされ現在の山車は明治初期に作り直したものとのことです

からくりを操ることで首がニュルニュルと伸び眉毛が動いてハの字になる怖面白いもの

ユーチューブで検索すると動いているのが見られます

観光案内所にいるチビスケは大入道の子どもという設定で舌をペロンと出していますが この伸びた舌をなでながらお願いをすると何かしらが「伸びる」らしい。

「例えばお子さんなら背が伸びますようにとお願いされてますよ」とのこと

大人は「寿命」とかをお願いするそうです

因みに

後日現在仕事がワッショイお祭り状態に忙しい弟に大入道の写メを送り「何かしら伸ばしてくれるらしいからお願いどうぞ」とラインしたら

「睡眠時間。。」

という悲壮な願いが返ってきました

う~ん ガンバレ。。

その後観光案内所の方に工場夜景の場所など「四日市コンビナート夜景マップ」を頂いて詳しくお聞きしていたら

「もしお時間あればこの先の商店街に大入道の弟がいますよ」

と教えて下さったのでそちらも見に行くことにしました

家族が多い(笑)

道に出るといろんなマンホールがありました

市の花 サルビア

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歌川広重東海道五十三次四日市をマンホールにしたもの

名古屋と四日市を結ぶ十里の渡しの場面です

最後の工場夜景でもよくわかりますがここから名古屋へは海を渡ると大変近いです

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そしてその工場夜景が見られる化学工場エリアの四日市の港はアメリカのロングビーチ市 中国の天津市 オーストラリアのシドニー港と提携しておりマンホールに描かれています
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小入道もいます
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観光案内所から5分ほど行くと商店街に入りしばらく行くと。。。

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あった〜!ありました

ん?。。。伸びてる!
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カクン!眉毛もちゃんとハの字になります
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「ここは東海道」たくさんの人々が昔も今も行き交う通りなんですね

そこからもう一度駅に戻る途中に市役所が。

あら ここにもいらっしゃいました
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外に出ると隣の商工会議所前にライオンがいます

実はこのライオン口の中にコインを入れるスリットが入っておりそこに硬貨を入れると
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「ガォォォっ!世界に平和を。ありがとうございました サンキュー」

となかなか美しいお声で言ってくれます

これをユーチューブで見て是非生で聴きたくて主人にコインを入れてもらいましたが

あまりの迫力に思わず声をあげて手を引っ込めていました

ここは四日市を訪れたら是非体験して頂きたい観光名所です(笑)

さて 工場夜景にはまだ少し時間があります

何処行く?とマップを見ると近くに「諏訪神社」とあります

大入道のお祭りの神社案外近くにありました

ところで諏訪神社といえば長野県諏訪市に総本山がある神社

全国に分社がありその数は5000を越えます

以前見に行った富山県の漁村で行われる美しいお祭り「たてもん祭り」も諏訪神社分社のお祭りでした

(詳しくはブログ内「ユネスコ無形文化遺産 富山県魚津諏訪神社たてもん祭り」に書いています)

見に行ってみようと10分ほど歩くと商店街の脇に神社がありました

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神社の隣は諏訪公園となっており五箇条の御誓文が刻まれた碑が有志により建てられ
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かつての図書館や噴水 カリオンの時計などがありノスタルジックな公園でした
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さていよいよコンビナートを見に移動します

が その前に四日市駅にある近鉄百貨店で帰りの晩御飯を買っておくことにしました

というのも百貨店の閉店時間が18時30分!

大阪に住んでいる私にはビックリの早い閉店時間です

あれこれ買い込んで電車に乗り込みます

行き先は「富田駅」にしました

四日市の工場地帯は大変広いのでどの辺りを見に行くかで降りる駅が変わります

海からクルーズ船に乗って工場夜景を巡るツアーなんかもありますが今回は時間の都合上断念しました

車で移動するのが一番楽に近くまで行けると思いますが今回は近鉄限定です

そこで近鉄四日市駅から4駅先の「富田駅」で降りコンビナートを上から見下ろせる四日市ポートビルの展望室「うみてらす14」を訪れることにしました

本当は間近で見たいと他の場所も検討していたのですがこの日は大変寒く 結果的に外で長い時間暮れていくのを見るのは不可能だったと思います

屋内の「うみてらす14」にして大正解でした

夏の酷暑でも同じことが言えるのではないかと思います

行かれる方はご参考になさって下さいませ
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遠くに沿線の工場地帯を眺めながら電車に揺られ富田駅に到着

ここが近鉄から一番近いのですがそれでも工場地帯は遥か遠くにあります

結局駅前のタクシーにお世話になり海のすぐ近く四日市ポートビルまで向かいました
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中には物流を支える大型船の解説などがあり
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エレベーターで14階に上がると展示と展望が楽しめる「うみてらす14」(入場大人310円2025年現在)があります
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展望室はガラス張りの360度展望
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下の写真海の向こうに見えるのは名古屋の港

マンホールの十里の渡しでもお話しましたがここから名古屋は近く感じます
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時間になると四日市港の歴史が学べる上映会がありました
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四日市には大きく3つのコンビナートがありその歴史は古く1960年代に掲げられた「国民所得倍増計画」で重化学工業を軸に経済成長を進める計画によりつくられました

コンビナート近くに到着した大型の原油タンカーから直接工場へとパイプを使って原油が送り届けられ各工場間はパイプでつながり精製したナフサなどを輸送して石油化学製品が作られます

他にも港では石炭やLNGなどのエネルギー源 穀物 自動車などの取り扱いがありますが 輸入貨物の90%は原油やナフサ

湾岸には複数の重化学工業の工場があり複雑なパイプが露出して繋がっている光景は圧巻です

説明を聞くと外の景色の意味が分かります

ここは石炭置き場
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遠くに船のドックらしきものも見えます

整備をするのか荷役の場所なのかしら
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そして化学コンビナートの景色!

海底で船と繋がることが出来る工場はまるで人体のように精緻

船から原油という栄養が届けられ

それは血管のように網の目に張り巡らされたパイプを通って工場の各場所に運ばれ

臓器のごとく厳密に処理されていき

製品が生み出され残ったものは煙や処理物質として廃棄されます

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しかしかつては公害となり人々を苦しめた歴史も忘れてはならない事実

今では法も整備され出来るだけ有害物質の排出を抑えるよう人々の叡智の詰まった設備でもあります

左に見える炎は工場から出る有害物質を最後に燃やして無毒化する「フレアスタック」という設備

独身の頃出張で大阪から東京に飛行機で行く時降りる直前に川崎のフレアスタックがよく見えて私の好きな景色でした
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無料の望遠鏡からはクリアに「今」の工場を眺める事が出来ます
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しだいに暮れなずむコンビナートの景色
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ゆっくりと終わりゆく1日と

終わることのない工場群

たなびく蒸気は朝も昼も夜も

途切れることはありません
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暮れゆくほどに増す輝きをいつまでも見ていたいけれどそろそろ帰らなければなりません

帰りも主人がタクシーを予約してくれていたのでスムーズに駅まで戻る事が出来ました

そうでなければなかなか交通手段の少ない難しい場所です

一旦四日市まで普通で戻りそこから追加料金を払って特急ビスタカーを体験することに。f:id:habbule-no-neko:20250303164917j:image
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カフカ快適暖かな車内でホッと一息です

途中津でひのとりに乗り換え
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今回はレギュラー車両を体験

テーブルを出してお楽しみの宴です

写っていませんが四日市駅で冷たいビールも手に入れておきました

伊勢の名店 伊勢せきやのホタテ山椒煮
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写真は一つですがまぐろづくしのお寿司を幾つか買いました

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こちら方面に来ると必ず帰りの車内では伊勢せきやのもので一杯やるのが恒例です

今日1日の出来事を肴に大阪まで快適に帰ることが出来ました

2日目は温泉癒し旅になる予定

良ければ是非2日目も読んで頂けると幸いです